ドミニク・ペローは語る

◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No93:ドミニク・ペローは語る
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           東京オペラシティーで行われた
建築家ドミニク・ペローの講演会
           

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先日、東京オペラシティーで行われた、建築家ドミニク・ペローの講演会を
聴きに行ってきた。

ドミニク・ペローは、フランスの建築家。
1989年にフランスの新国立図書館のコンペ(設計競技)に弱冠36歳の若
さで1等当選。
その、4本のL字形の琥珀色のガラスの塔が敷地の4隅に立つ新国立図書館
の斬新な都市ランドスケープの建物がセーヌ河畔の目の前に姿を現し、完成
したのが1995年。
このことにより、一躍脚光を浴びる建築家となったことはメディアで聞いて
知っていた。

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1997年にパリに旅行をした時に、4本の琥珀色のガラスの塔が立つ新国立
図書館を始めて見に行った。
その後、パリに旅行で行く機会があるたびに立ち寄って見に行ったので、通
算3回くらいは行ったと思う。
行く度に、天候は雨だったり曇りだったり晴れだったりで、4本の琥珀色の
ガラスの塔は、その時々の天気を映し出してそれぞれに異なる様々な表情を
見せてくれて、とても素晴らしい建物だと思っていた。

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昨日の講演会は、スライドを映しながらの講演会となる予定だったのだが、
事前のリハーサルで、日本側が準備した機材ではペローが意図したとおりに
映像を映し出せないことが判明。
ペロー自身の判断で、スライドの映写はなし、「語り」だけによる講演会に
て急遽行われることになったとのことが、冒頭で主催者側から説明された。
ペロー自身も、「今日は始めてやる形での講演会になる」と口火を切ると、
講演はスタートした。

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ペローは、建築を建てるという行為は、自然との「分離」を招く行為となっ
てしまうが、それは望ましいことなのだろうかと、まず、問題提議。
そして、そうならないための建築の解決の仕方をするために、自身がいつも
何を考え行っているかということを、ペロー自身の独特の語り口と言葉の
選び方で次々と語りだしていき、非常に引き込まれるものがあった。

建築を建てることには、「敷地と地形」が重要であるという視点もまた提議。
ペロー自身は仕事を請けてからまずすぐ敷地に行くようなことはせず、十分
考え方とコンセプトを検証してから始めて現地の敷地に立つようにしている
そうだ。
彼の建築に対する視点からのその理由を独特の語り口と言葉の選び方で次々
と語りだしていった。

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1時間半の予定の講演時間に対して、ペローは40分で自らの話を終え、
「あとは会場のみなさんとの質疑応答で、対話ある時間としたい」、と。

「え〜!、あと50分近く、講演会の半分以上の時間が残っているよ。ここ
は日本だし日本人にそんなこと求めても大丈夫なの」
と心配になった。
しかしポツリ、ポツリ、と出る質問に対して、ペローは各問いに対しての回答
の範囲を逸脱して自説と考えを縦横無尽に語りつくして、さらに講演会は
大賑わい。

大盛況で終わりました。

なんか、スタートの時から予定通りに進まず、誰もが予測しない展開で進んだ
講演会、というより、1つのショー。
すべてが根回しされた日本の講演会での時の流れ方たとはまったくもって異な
る、フランス的なアドリブで場当たりのようで、実はもっと大きな次元へと
展開していく、とても楽しい時間の流れの中に放り込まれて楽しめた1時間半
の講演会は、とても楽しい時間でした。

■ 以下、東京オペラ・シティーでやっている展覧会
「ドミニク・ペロー 都市というランドスケープ」のサイト。12月26日まで。。
http://www.operacity.jp/ag/topics/101022.php

■以下、フランス新国立図書館のHPサイト
http://www.bnf.fr/en/tools/lsp.site_map.html?ancre=english.htm

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