ボーブール

◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆:No.102 ボーブール
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         ポンピドーセンター:ボーブール
         来的建築のヴィジョンの中に
       欧州の都市と広場の歴史と伝統を見る
        
☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆

今では、ルーブル美術館と並ぶ、パリの一大観光名所になりましたが、建設前の当時
は、かなり寂れた地区だった、パリのボーブール地区に、「ポンピドーセンター」の建
設計画が決まり、その建築案を募るための、国際コンペ(設計競技)が行われたのは、
1973年です。
「ポンピドーセンター」(愛称:ボーブールセンター)の建設計画は、寂れたパリの西
の地区ボーブールに、美術館、図書館、映画館、芸術・文化センター、カフェ・レスト
ランの、一大複合文化施設を建築するという、再開発地区計画で、当時の大統領であっ
たポンピドーが、音頭をとる文化政策の一環として、建設計画がスタートしました。

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ボーブールの国際コンペ(設計競技)には、世界中の建築家から740もの案が集まり、
提案された内容のレベルもそれぞれに高くて、コンペの歴史の記録に残る国際コンペ
(設計競技)となりました。
当選したのは、レンゾ・ピアノ(イタリア)と、リチャード・ロジャース(イギリス)
の、2人の建築家のチームによる案で、これが実現することとなりました。

ところで、当選案の建物は、鉄骨の柱や梁が外に剥き出し、赤や青に塗られたダクトや
配管が外に剥き出し、ガラスのチューブのエスカレーターが外に剥き出しという、一見、
まるで工場のようなデザインの建物。

「パリの伝統ある街並にふさわしくない」
「グロテスクな鉄骨のバケモノ」
と、パリの市民や文化人が猛反対。
1977年に工事が完了した後も、「ポンピドーセンター論争」は市民の間でしばらく
続きました。そうした顛末は、100年前の当時、同じくパリの市民や文化人が猛反
対した、「エッフェル塔論争」の歴史と並んで、有名です。

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現在、ポンピドーセンターは、入場者数がルーブル美術館を超えるほどになり、
観光名所として、見逃せない場所となりました。

美術館や芸術・文化センターは、常に新しい話題や作品の情報を発信し続けていて、
最新のアートの情報を求める様々な人達が集まる場所になっています。
図書館は、夜の22:00まで開いていて、その膨大な情報資料と蔵書は、学生から大人
までの様々な市民にとって、知的刺激を得、学習するための場所として、欠かせない
場所となっています。

レンゾ・ピアノと、リチャード・ロジャースの2人の建築家は、パリの伝統ある街並
の中に、鉄とガラスの斬新なデザインを、あえて、持ちこむことにより、新旧の対比
による強いインパクトを強調することで、新しい「芸術文化センター」としての表現
を実現することを、目論んだといわれています。

当初は非難轟々で理解されませんでしたが、そのデザインの成功は、現在のポンピドー
センターがパリの名所となり、賑っている事実が、証明しているといえるでしょう。

現地で見ると、ポンピドーセンターの「工場のような」鉄とガラスの建物が、
巧みにパリの伝統のある街並に溶け込んでいるから、不思議です。

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ところで、ポンピドーセンターの「工場のような」鉄とガラスの建物は、しかし、
工夫された様々な新しい技術による斬新なアイディアが、随所に盛り込まれた建物
であることと、同時に、
欧州の都市の歴史と伝統のある構成を、上手に取り入れて設計された建物であるこ
ととが、現地を訪れてみると、よくわかります。

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白く塗られた、何本もの異様に細い線のような柱と、斜めのテンション(引張り)材
によって、建物全体の四角いボリュームの、籠のような構造体が組み上げられていて、
その細い線材による籠の構造体に、ボーブールセンターの細長い長方形の巨大な6枚の
床と、黒くて細いサッシのガラス壁面が、絶妙なバランスで、空中に、ぶら下げられて
いる。
柱が異様に細いことから、この巨大な建物は、柱に「支えられて地面に立っている」
のではなく、テンション(引張り)材に引張られて「空中にぶら下げられている」こ
とが、現地で見てみると、よくわかります。

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ポンピドーセンターの建物は、「ボーブールセンターの細長い長方形の巨大な6枚の床」
であり、四角いボリュームの細い線材による籠の構造体そのもの、でもあるといえる。

ポンピドーセンターの東側は、人々が集まる広場になっていて、ガラスのチューブの
エスカレーターと空中廊下が、籠の構造体に外側に、ぶら下っている。
反対側の西側は、車の交通量が多い大通りになっていて、赤や青に塗られた設備機械
やダクトが、ぶら下っている。

「ボーブールセンターの細長い長方形の巨大な6枚の床」は、「東側のガラスのチュー
ブのエスカレーター・空中廊下」と、「西側の赤や青に塗られた設備機械やダクト」と
いう、2つの「重し」の間に挟まれて、その間に、天秤のように、微妙なバランスで、
ぶら下げられている。

レンゾ・ピアノと、リチャード・ロジャースの2人の建築家のアイディアを受けて、こ
の引張りと天秤による、絶妙なバランスの構造体のデザインを、実現したのは、当時、
イギリスのオブ・アラップ & パートナーズ構造事務所の構造エンジニアだった、
ピーター・ライスだと、言われています。

ピーター・ライスは、ポンピドーセンターの構造体に使う鉄骨材料にも、細やかで、
優雅なアイディアを与えたと、言われています。
現代に普及している一般的な鉄骨材料は、「錬鉄」、形はまっすぐな板材や型材で、
工場で生産されているため造り易く、構造計算も、単純で、やり易い。
19世紀の鉄は、「鋳鉄」、つまり鋳物で、人が手で叩いて造った材料のため、丸みを
帯びた複雑な形をしており、構造計算は複雑になるけれども、優雅で、人に優しい、
表情と、形をしている。
19世紀のアール・ヌーヴォーなどの建築部品の鉄材に気品と味があるのは、それが
「鋳鉄」で出来ているからだとかねてから考えていた彼は、
ポンピドーセンターの、柱と梁を繋ぐピンジョイントの部材に、「鋳鉄」を用いるこ
とにしました。

鋳鉄と、四角いボリュームの細い線材による籠の構造体である「ポンピドーセンター」
は、パリの伝統的な重い石造りの街並みに対して、その軽快でシャープながらも細部
に優雅さをまとった形で対峙して、パリの21世紀の未来を予感させるかのような緊張
感を放ちながら、新しいボーブールの賑わいの中に、たたずんでいます。

以下、ポンピドーセンターが見れるサイト
http://sd13.maxs.jp/archiMAP/pompidou.html
http://sunflower.cocolog-nifty.com/photos/paris/pc230021.html
http://www11.big.or.jp/~toztec/archives/1/contents2/place1/paris/index5.html
http://fujiso-web.hp.infoseek.co.jp/heu6hp/peu031.html

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「ポンピドーセンター」の東側は、人々が集まる広場になっていて、大道芸人のパ
フォーマンスもあって、活気に満ちています。メトロの駅も東側にあって、人々は、
皆、この東側から、建物を訪れます。
建物を細長い長方形にして、西側に寄せて配置し、東側に、この大きな広場を確保し、
設計したこともまた、レンゾ・ピアノと、リチャード・ロジャースの2人の建築家
のデザインのアイディアの、味噌だったと、言えそうです。

建物を設計する時は、普通、敷地全体にバランスよく建物を配置して、設計しようと
考えるでしょう。無駄なスペースを造らずに、敷地全体をバランス良く有効に利用し
ようと考えるからです。
国際コンペ(設計競技)の入選案だった、日本人の建築家、黒川紀章の案を見ても、
そうした常識的な考え方で、設計していることが、よくわかります。

以下、黒川紀章のポンピドーセンターのコンペ(設計競技)入選案が見れるサイト
http://www.um.u-tokyo.ac.jp/publish_db/1997VA/japanese/illusive/16.html

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欧州の街を訪れるてみると、教会や市庁舎などの、市民のための重要な建物の足元の
正面には、必ず、広くて大きな広場があって、そこに大勢の市民が集っている姿を、
見ることができます。
パリのノートルダム寺院の前ににも広場がありますし、パリ市庁舎前の広場、ウィー
ンのシュテファン大聖堂の前の広場など、例外を見つけることの方がむずかしい程、
欧州の街のどこででも、見つけることができる、風景です。

美しいことで有名な広場といえば、イタリアの山岳都市シエナの、カンポ広場でしょ
うか。
扇形をしていて、中世の街並みに囲まれた、美しい広場です。
広場の床は、ゆるやかに擂鉢状に傾斜していて、正面の建物は、プッブリコ宮(現在
の市庁舎)と、マンジャの塔です。
床が傾いているため、広場に立つと、広場全体を、遠くまで見渡すことができる。
プッブリコ宮に向かって床が傾いた広場に、人々は座ったり、散歩したり、各々に
くつろいでいる姿を見ることができます。

以下、カンポ広場が見れるサイト
http://www.01.246.ne.jp/~yo-fuse/italia/italia12/italia12.html
http://www.itourismo.com/Special/87Backpack/87e116-Siena1.html
http://www2t.biglobe.ne.jp/~provence/italia/visit/visit02/siena.html

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ポンピドーセンターの広場の床も、ゆるやかに擂鉢状に傾斜していて、人たちはこの
傾いた広場の床を歩いて、建物の玄関口に入ります。
広場のあちこちで、人々が座ったり、散歩したり、各々にくつろいでいたり、大道芸
人たちが、様々なパフォーマンスをしている賑わいの中を抜けて、建物に入ることが
できるよう、計画されています。

建物のを敷地いっぱいに建てずに、細長い6層の長方形にして積み上げて西側に寄せ
て配置し、東側の広場に、敷地の半分以上の大きなオープンスペースを充てた、レン
ゾ・ピアノと、リチャード・ロジャースの2人の建築家のアイディアは、欧州の都市
の歴史と伝統のある構成を、上手に取り入れて設計されたデザインとして、十分な成
功をおさめたと、言えそうです。

以下、ポンピドーセンター前の広場が見れるサイト
http://www11.big.or.jp/~toztec/archives/1/contents2/place1/paris/index5.html
以下、ポンピドーセンターのHPサイト
http://www.cnac-gp.fr/Pompidou/Home.nsf/docs/fhome

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パリの夜とカラオケ

◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No100:パリの夜とカラオケ
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          おだやかに、ゆっくりと、ふける、
            パリの夜とカラオケ


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パリの夜は、暗い。
日本の都市は、白い蛍光灯とネオンの光で、夜でもまぶしいほど明るいが、
欧州の都市は、白熱灯のオレンジ色の暖かく優しい明かりが、ところどころに、
ポツンポツンと、灯るだけ。
街の通りに、限らない。ホテルの部屋も、天井に照明がなく、ベッドの脇の小さ
なスタンドライトしかない部屋がほとんどだと、覚悟しておいた方がいい。
地下鉄メトロの通路も、暗い。うす暗い地下鉄の通路での一人歩きは、多少用心
した方がよいかもしれない。物取りにあって金品を奪われるようなことがあって
も、暗い夜道を用心しなかった方にも責任があると思われてもしかたがないとい
うのが、一般的な感覚だからだ。自分の身は、自分で守らなくてはならない。

最近はあまり見かけなくなったが、パリの小さなホテルの廊下は、タイマー式の
照明になっていることが、多い。
客室階に着いたエレベーターのドアが開くと、そこは、墨を流したように真っ暗
な世界。手探りで壁を探り、照明のスイッチを、探す。
やっと探り当てたスイッチを押して、照明を点け、自分の部屋へ。
ところが、照明は、60秒位の間しか、点いていない。点灯している間は、
「ジジジジジ・・・・」とアナログなタイマーの音がしていて、60秒たつと、
「パチン」と、消える。
建物が古いため、ドアの建付けが悪く、開かない自分の部屋のドアの鍵と格闘し
ている間に、照明が消えてしまうことがある。仕方なく、また手探りで、照明の
スイッチを、探す。近くの照明のスイッチがどこにあるか、先に確かめておいた
方が、無難だ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

そんなパリの夜は、闇と優しい灯りの中で、時が静かに流れる、とてもおだやか
な時間だ。レストランでは、皆、ゆっくりとした会話を楽しみながら、2時間以
上かけて、落ち着いた夕食を、とる。
日本のように、騒音のような音楽が、街に流れていることもない。ネオンもドハデ
なものはなく、あっても小さくて、街の夜の落ち着きに、彩りを添えてくれるもの
ばかりだ。車の走る音と、たまのクラクションと、人たちの会話しか聞こえない
パリの夜は、ゆっくりと、ふけていく。

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車のヘッドライトが、一番明るい、そんな、パリの夜。
夜の22時頃、パリの大道りを飛ばして走るタクシーの窓から眺めていても、煌々
と明かりのついた街を通ることは、ほとんどない。
そんな街の中で、夜中まで明かりが灯り、賑わっている数少ない街に、グラン・
プルバールGrands Boulevard が、ある。

Grands Boulevard は、オペラ座界隈だと、「一応」言われている街だが、メトロ
のオペラOpera 駅から、メトロ8号線で2つ目、歩くと20分ほどのところにあ
る。
かつては、リュー・モンマルトルRue Montmartre という駅名だったが、5年程前
のミレニアムに、グラン・プルバールGrands Boulevard に、駅名が変わった。
ホテルが集まっている場所で、○×オペラという名前のついたホテルが多く、オペ
ラ座界隈のホテル街だということを売り物にしているようなのだけれど、オペラ座
界隈の高級感のイメージからはほど遠く、どちらかといえばパリの下町情緒あふれ
た歓楽街といったかんじ。
近くには、19世紀から残る商店街パサージュがあって、昼間は、パリの下町独特
なウインドーショッピングが、楽しめる。
レストラン(高級ではなく、地元風)、カフェ、劇場、ディスコなども集まってい
て、夜になると、たくさんの人たちが集まってきて、賑わう。

小さな個人営業のスーパーマーケットも何件かあって、食べ物や飲み物を買い込む
のにも、便利。コンビニがないパリは、こうした小さなスーパーマーケットを見つ
けることがむずかしく、案外貴重なのだ。
レジでは、「ボンジュール」の一言を、忘れずに。
知らない他人同士でも、なにかのやりとりで言葉をかわすときは、「ボンジュール」
と一言、お互いに挨拶を交わすのが、習慣だからだ。レジに並んでいる人たちは
みなそうしていて、黙って買い物をすることがない。これは気持ちがいい習慣だ
と思う。

ここのホテルに泊まっていると、夜中になっても街の賑わいが途絶えることがなく、
窓の外に、街の賑わいの気配を感じないわけにはいかないわけだけれども、それも
街の空気なのだと楽しむことができるのならば、案外居心地よく、宿泊することが
できる。

グラン・プルバールGrands Boulevardのパサージュと、ホテルが見れる
サイトがあったので、以下に貼ります。

http://homepage2.nifty.com/paris-journal/tourist/passage.htm
http://www.mwt.co.jp/kansai/int/mets/hotelinfo/europe/parmadridopera.htm
http://www.parishotelmadrid.com/

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まだ、駅名がリュー・モンマルトルRue Montmartreだった頃の夏、ここの界隈の
ホテルに泊まったことがある。
近くのレストランで食事を済ました後、ディスコへ行ったのだけれども、バカンス
で休業中。バカンスの頃には、よくあることだ。時間は夜の12時半。
とぼとぼとホテルに帰る道を、歩く。この街のカフェは、夜中でも煌々と明かりを
灯して、営業している。「コーヒーでものんでいこうか」と、店に入ったら、
なんと、そのカフェでは、カラオケをやっていました。
店の奥に、小さなステージとマイクがあって、フランス人の皆、思い思いに自分の
歌を、楽しそうに歌っている。昼間は、カラオケステージは、シーツをかけてたた
んであって、夜だけ、カラオケのサービスをしているらしい。
しばらく観客だった私でしたが、歌本を借りて、歌うことに。
歌本を見ると、英語とフランス語とハングル語の歌がありました。韓国人が来るこ
とが多いのか。日本語の歌はなし。
ビリー・ジヨエルの曲を歌ったら、店中のお客さんが、拍手をしてくれました。

私がパリでカラオケに出会ったのは、後にも先にも、その時だけです。
しかし、カラオケが静かなブームだとは、聞いたことがあるような気がします。
店をさがせば、今でも、どこかで、パリジャンとパリジェンヌが、マイク片手に、
歌を歌っているかもしれません。

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照明環境と「ひかり」の文化

◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No98:照明環境と「ひかり」の文化
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  照明の反射板と、光のクオリア
      照明環境と、「ひかり」を楽しむ文化を発見する
      
☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
 
 脳研究の科学者である茂木健一郎は、その著書の中で、「質感=クオリア」と
いう言葉を、好んでよく使っている。「クオリア」とは、「意識の中でとらえら
れる質感」という意味の言葉であり、人間とは、単なる物質的存在(科学的な知
=「世界知」に生きる存在)ではなく、意識をもち、その中でさまざまな質感=
クオリアを感じる存在(一人称の知=「生活知」を生きる存在)であるということ
を、指す言葉なのだそうだ。

「一人称の知」とは、取り替えがきかない「この私」という意識や、「今」や「死」
という、均一に流れる物理的時間とは違った、2度と訪れることがない体験という、
一回性を特徴とする人間固有の時間意識や、出来事の半ば偶然、半ば必然という
「偶有性」を生きる存在としての人間の意識、などのことを指していて、
科学的な知=「世界知」では割り切れない、人間特有の意識や知覚や認識の形のこ
となのだそうだ。まあ、そのあたりの詳しい事情と説明については、茂木健一郎
の著書に、ゆずりたいと思う。

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ともかく、私がフィンランドヘルシンキのヴァンタ国際空港に降り立った時、

「あっ、ここは光の質感が違う!」

と直感的に感じたということは事実で、その新しい「光の質感の形」の発見に対
する感動には、「新しい質感=クオリアの発見」という言葉で形容するのが、と
ても腑に落ちる感じがしたのだった。

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 日本から欧州への直行便であるフィンランド航空のエアバスA300が、冬の
ヘルシンキのヴァンタ国際空港に到着したのは、夕方の16:00くらいの時間
だった。窓の外の景色は、もう日が沈んだ後で、暗かった。
ドイツのベルリンへと向かう便に乗り継ぎするために、2時間ほど、この空港で
待つことに。
飛行機のドアから、飛行機と空港の建物を結ぶ搭乗ブリッジに出ると、日本より
もずっと冷たい冬の北欧の冷気が、身体全体を包みこんだ。
やはり、冬のフィンランドヘルシンキは、寒い。

ブリッジを渡って、空港の建物の中に降り立つと、そこは、かすかに灯された
ほの暗い照明が、落ち着きと温かさをかもし出し、照らし出している、天井が高
くて広い、空港の乗り継ぎロビーに出た。

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「光の明るさが違う!」
「光の色が違う!」
「光の質感=クオリアが違う!」

建物の空間と照明の光が織り成す光景が、目に飛び込んできた時、直感的に、
そう感じていた。

日本で見慣れている、あの、白くてやたらと眩しくてギラギラと明るい蛍光灯
の照明器具が、どこにも見当たらない。
ひとつひとつの照明の光が、優しく、温かく、ほっとさせてくれる落ち着きの
ある「ひかり」環境を、あちこちのそこかしこで、かもし出している。
光を照らし出すに当たっての細やかな工夫とさりげない演出が、どの照明器具
にも、必ず施されていて、そこは、光の質感=クオリアが、日本とは明らかに
違う場所だった。

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 空港の乗り継ぎロビーから、免税店が並ぶショッピングストリート、軽い飲
み物が飲めるカフェ、40ヶ所以上はあると思われる飛行機の乗り継ぎゲート
を繋ぐ出発ロビーなどを、あちこち歩き回り、見上げながら、2時間の乗り継
ぎ時間の間、思わずデジカメのシャッターを何回も押しながら、新しい「ひかり」
の発見に、感動していた。

その時、「モノが見える」ということは、光が、「そこにある」物体に反射して、
始めて人の目に見えるのだという当たり前の事実を、改めて、再発見していた。

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 空港にあった照明は、大体5種類に分けられるように思われた。
(1) 天井に光を反射させて、空間全体を照らす照明。
(2) 壁や柱に光を反射させて、空間全体を照らす照明。
(3) 照明器具自体に美しい反射板を持っている照明。
(4) 壁全体、あるいは天井全体が光る照明。(光壁、光天井)
(5) 形が美しい半透明や、色の付いたガラスに光を透過・反射させて光る照明。
 の、5種類である。

 ヴァンタ国際空港の、どの照明器具も、「光を「反射板」に反射させる」こと
によって、空間を照らしていた。
そのシンプルな照明の原理を、2時間の間、空港の乗り継ぎロビーを歩き回る中
で改めて気付き、再発見することができた。

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 あちこちにある照明器具の、様々な種類の形や色や質感を持った反射板が、
共演し、競い合うようにして空間を照らし、演出している光景は、見事で、
とても新鮮だった。

壁や天井を照らす、いわゆる間接照明は、日本でも、行くところに行けば、
見ることができる。

しかし、たとえば天井に埋め込まれた、小さなダウンライト。
穴の径(大きさ)が小さく、丸い穴の中の反射板は、必ずグレア(眩しさ)を感じ
させない鈍く光るメタル(金属)製。淡くて優しい光で、空間を照らしていた。
日本で良く見かける、あのベタッと白くペイントされた鉄板の反射板は、ついぞ
どこに行っても、見かけることはなかった。
デザインされた形の良い、ガラスや金属製の反射板を持った、様々な形の照明器具
も、あちこちに見られた。

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驚きだったのは、トップライトである。
彼らにとっては、トップライトも「照明器具」なのである。
冬の間は1日中、ほとんどが夜であるヘルシンキでは、トップライトは、
「上から太陽の光が入ってくればいい」というわけにはいかないのだ。

トップライトの一番上には、当然、雨露をしのぐためのガラスのカバーがあるの
だろうが、その下の天井の周りには、何枚もの半透明の大型のガラスと金属に
よって組み立てられた巨大な反射板があって、その脇に付けられた輝度の高い
眩しい照明器具の照射による光を反射して、空港のロビー全体の空間を照らし
ていた。
昼間には、太陽の光が、この巨大なガラスの反射板に反射して、降り注いでく
ることは、いうまでもない。

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この「照明器具としてのトップライト」のアイディアの最初は、フィンランド
を代表する建築家であるアルヴァ・アールト(1898〜1976)が、ヘルシンキ
中心街にあるストックマンデパートの書籍部門として、1969年に設計した
「アカデミア書店」の空間に、多分、ある。

「アカデミア書店」の3層分の大きな吹き抜け空間の上には、照明を組み込んだ、
多角形のガラスの反射板としてデザインされたトップライトが、3つあって、
四季を通じて、書店全体の空間を、温かくほっとする、アットホームな空間に
することに、成功している。
■以下、アカデミア書店が見れるサイト
http://so1ymsk.exblog.jp/14124134

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 この、「照明器具としてのガラスのトップライト」のアイディアを、建物全
体を貫通する巨大な吹抜け空間にまで拡大し、円錐形の、ガラスの万華鏡のよ
うな巨大な光の反射空間のアイディアとして昇華させ、デザインしたのが、
フランス人の建築家、ジャン・ヌーベルである。
彼は、1996年に、ドイツのベルリンのデパート「ギャラリー・ラファイエット
の設計において、その斬新で巨大なガラスと光の反射空間を、実現している。

以下、「ギャラリー・ラファイエット」が見れるサイト
http://www1.linkclub.or.jp/~ida-10/berlin.html
http://ameblo.jp/kuni/entry-10000903405.html
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/r_denmark/04/
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/architecture/1997/nouvel.html
http://kids.goo.ne.jp/cgi-bin/kgframe.php?BL=0&SY=0&MD=2&FM=0&TP=http://tenplusone.inax.co.jp/archive/berlin/berlin021.html
http://kids.goo.ne.jp/cgi-bin/kgframe.php?BL=0&SY=0&MD=2&FM=0&TP=http://tenplusone.inax.co.jp/archive/berlin/berlin020.html

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 ヘルシンキの街並も、美しい照明に彩られた、快適な光環境に満ちている。
たとえば、ヘルシンキ中央駅前の広場に立つランタン(街路灯)は、ポールの上の
オルガニックな形をした2枚の反射板を、下から強烈な光でライトアップして、反射
させることで照明するという、アイディアのデザインで、ちょっと必見かもしれない。

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 普段はあまり意識しないが、よくよく振り返ってみると、照明器具を見る時、
私たちは、いつも、照明の「反射板」を、見ていることに、気が付く。

日本でも例外ではない。

日本の白い蛍光灯の照明器具の場合、「反射板」は、白く光る細長い棒である
40Wの蛍光灯が収められた、あるいは取り付けられた、あの見慣れた白い弁当箱
のようなボックス(箱)だったり、あるいは逆富士型の取り付け台座だったりし
ている。
いずれにしても、最初に光源の光が反射する物体である「反射板」を、人は、照明
器具の、姿と形として、認知しているはずだ。
四角いとか、丸いとか、というふうに。
まあ、日本の場合、「反射板」は、なぜか必ず、「白い鉄板」で出来ているのが常
なのだが。

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 日本の場合は、たいがい、蛍光灯などの光源が剥き出しで部屋を照らしていて、
「反射板」よりも蛍光灯の光源の方が、先に目に飛び込んできて見えてしまう。

・ 「反射板」よりも光源が、先に目に飛び込んできて、目立って見えてしまう。
(反射板が照明の主役ではなく、脇役になってしまっている)
・ 「反射板」が、白くて四角い弁当箱のボックスであったりと、「反射板」が
単なる白い鉄板にとどまっていて、デザインがされていない。

この2つが、日本の照明環境を豊かではないものにしている、原因であるようだ。

「ともかく白い光で眩しいほど明るくしよう」
ということだけにしか、日本の照明環境は、残念ながら、配慮されていないと、
いえそうである。

照明器具や照明環境は、
「いかに反射板による光の反射のさせ方をデザインするか」
で、その場所の照明の空気を演出するというのが、ヘルシンキ流の、あるいは欧州
の、照明環境の、あり方なのだ。

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 照明環境と、空間を楽しもうとする、「ひかりを楽しむ文化」
が、欧州には、ある。
そうした文化が、長くて暗い冬の夜でも、人たちが楽しく快適に過ごせる、建築や
街並の「ひかり」環境を、創り出している、といえそうだ。

また、長くて暗い冬の夜という、欧州特有の気候と風土の条件が、そうした
「ひかりを楽しむ文化」を、人たちが育み、育てることになった、理由でもある。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 「24時間都市」という言葉があるが、昼間だけでなく、夜の時間も、人びとに
とっては、ビジネスの時間として、あるいは安らぎの時間として、欠かせない大切
な生活時間であるのが、現代の時代である。

「陰影礼賛」という言葉があるが、昔の日本にも、「ひかりを楽しむ文化」が、
あった。
 そうしたことを少し思い出してみることが、毎日私たちが暮らす建物や街並を、
より豊かで文化的な、落ち着きと楽しみのある快適な環境にしていくためには、
必要なことなのかもしれない。

☆ ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
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ル・トラン・ブルー

◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No97:ル・トラン・ブルー
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             ル・トラン・ブルー
           
☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆

欧州旅行のパリに到着した最初の日の夜、Le Train Bleu「ル・トラン・ブルー」
というレストランへ食事に行ってきた。

「ル・トラン・ブルー」は、リヨン駅の構内にあるレストラン。

パリにはSNCF(フランス国鉄)のターミナル駅が6つあって、リヨン駅はそのうちの1つの駅。
パリのどちらかといえば南の位置にあるスイッチバック式のターミナル駅で、マルセイユなど
南仏方面に向かう列車が発着する。

19世紀につくられた鉄骨とガラスでできた古くて高くて大きな屋根の下には、フランス版新
幹線TGVがずらっと並んで、なんとも壮観な光景。
フランスの国鉄の駅には改札口がないので、駅のホームに入ってそのままTGVの車両の近くま
で行くことができる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ル・トラン・ブルー」は、前から是非一度行ってみたかったレストラン。

このレストランは、リュック・ベッソン監督の映画ニキータの中のワンシーンとして出てくる。
主演のアンヌ・パリローがフランス政府特命の女性の暗殺者として育てられる様を描いたのが
この映画のストーリー。
その彼女が最初の暗殺の使命を授かるシーンがあって、その舞台となっているのが、このレストラン「ル・トラン・ブルー」なのだ。

19世紀のフレスコ画に天井と壁全面が覆われた、天井が高くて大きい、とても豪華なレスト
ランで、映画で見ていた当時の私は、多分映画のためにつくられたセットなのだろうとずっと
思っていたのだ。
ところが数年前、ふとしたきっかけで、知り合いから、それはリヨン駅にある「ル・トラン・ブルー」というレストランで、実際にパリにあるし営業もしているということを教えてもらい、知ることになったのだった。

「え〜!あんなすごいの、本当にあるの!?しかもそこで食事までできるの?!」

そんなかんじだったので、今回訪ねることをとても楽しみにしていたのだ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

コース料理のメニューを頼んだのだけれど、とても美味しかった。
日本語のメニューもあったので、安心。
飲み物込みで70ユーロくらい。
そんなにめちゃめちゃ高いというわけでもないと思う。
普通の人が、普通に訪れて食事に来ていた。

「ル・トラン・ブルー」は、パリ市の歴史的建造物にも指定されているそう。
しかし、歴史的建造物のレストランの中で食事ができるなんて、
ちょっとびっくりしながらの食事でした。

■以下、私が撮影してきた「ル・トラン・ブルー」の写真
http://ameblo.jp/michi444111/entry-10768825665.html


☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
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ロンドンの小天使

◆ ◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No.96:ロンドンの小天使
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            ロンドン
        ウオータールー駅の小天使
     
      
☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□ ☆

海外旅行に行くときは、いつでも飛行機。
まあ、あたりまえの話ですが。
しかし、英国のロンドンへ行くときは、飛行機でヒースロー国際空港から入る
よりも、パリから出発する国際高速鉄道ユーロスター」に乗って、英仏海峡
ユーロトンネルを渡って、ロンドンにアクセスする方が、なんか、お洒落な
ような気がする。

私が始めてロンドンに行った時も、パリの北駅 Gare du Nord から「ユーロ
スター」に乗って、ロンドンのウオータールー駅 Woterloo に入りました。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

英仏海峡トンネルが完成し、パリの北駅と、ロンドンのウオータールー駅が、
高速鉄道によって結ばれるようになったのは、94年です。

北駅には、「ユーロスター」専用のチケットロビーと乗り場があって、
「これに乗れば、3時間半で、ロンドンだ」
という予感には、国際統合されたEUヨーロッパという、欧州の未来のイメー
ジには、思わず胸が高まる気分にさせられる。

ユーロスター」は、フランスとイギリスという、鉄道の建設基準が違う国土
を走ることができる車両として開発されたTGVの新型車両で、もちろん、ブ
ランド路線。車両の内装インテリアは、赤を基調にした、シックで、ゴージャ
スなデザインで、座席のシートは日本の新幹線とは桁違いなほど広く、快適な
乗り心地を楽しめます。

どちらかといえば、平らに広がる風景のフランスの田園地帯を走り、英仏海峡
トンネルを抜けると、起伏の多い、イギリスの田園地帯を走って、3時間半で、
ロンドン側の玄関駅、ウオータールー駅に着きます。

ウオータールー駅のユーロスター専用乗り場のターミナルは、94年のユーロ
スター開業に合わせて建設された新しいもので、イギリス人の建築家、ニコラス・
グリムショウによる設計。ゆるやかな曲面を描く駅のプラットフォームを覆う、
大きな透明ガラスと青いチューブトラスが組合わせられた、軽快な屋根のデザ
インは、明るく開放的で、現代の駅舎の斬新なデザインとして、有名です。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

列車を降りた乗客は、高架のガラス屋根のプラットフォームから、長いスロープ
に長蛇の列をつくって、天井の高い1階のコンコースまで、ぞろぞろと降りる。
天井の高い、白いコンクリート打放しの明るくて広いコンコースのあちこちには、
英国特有のネイビーブルーの制服を着た駅員や、警備の係官がいて、ちょっとし
た緊張感を感じさせられる。さっきまでいたフランスのパリとは、いかにも違う
風景です。
「BRITAIN=英国に着いた!!」
思わず、そんな感慨の気持ちにさせられます。

乗客が並んで待つゲートで、パスポートのチェックを受け、ネイビーブルーの制
服を着た入管の係員に、「ガチャンッ」とパスポートに入管印を押してもらえば、
ロンドンWelcome!!です。

以下、「ユーロスター」が見れるサイト。
http://ww1.tiki.ne.jp/~yokoura/honeymoon/20010418.HTML
http://www.kcc.zaq.ne.jp/konoha_kiri/BLE/Eurostar.html

以下、ウオ−タールー駅が見れるサイト。
http://www.joyphoto.com/japanese/abroad/1999Europe/london/water.html
http://www.mediawars.ne.jp/~tanimura/a_map/foreign/form/england/waterloo.html

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


ウオ−タールー駅からは、地下鉄に乗り換えて、ロンドン市内の目的の場所に向
かいます。
ロンドンの地下鉄は1863年に、パリの地下鉄METRO、ニューヨークの地下鉄
SUBWAYに先立ち、世界で一番最初に建設された地下鉄として有名です。
路線数は14、駅の数は478,総延長390kmに達する,ロンドンの地下鉄は、その
総延長距離でも、世界一。
市民から“UNDERGROUND”、あるいは大部分がシールド工法で建設され, その
断面が円形であることから“TUBE:チユーブ”とも呼ばれ、親しまれています。

ロンドンの地下鉄は、まさしく“TUBE:チユーブ”です。駅もシールド工法で建設
されていて, その断面が円形。長くて、狭くて、丸い筒型の屋根のホームで、列車を
待ちます。
列車は、細い「チューブ」の中を走れるように設計されているため、日本やパリの
地下鉄と比べて、驚くほど小さい小型の車両。筒状の丸い断面のトンネルの形に合
わせて車両の屋根も扉も、上の方が斜めになっている。
まさしく、細いチューブから押し出されるように、車両が駅のホームに滑り込んで
きます。見ていてとても窮屈そう。でも、丸くてかわいらしい車両です。


地下鉄でロンドンを見て回るには、トラベルカード Travelcard と呼ばれる、乗り
放題の周遊券を利用するのが安くて便利です。1日券、1週間券など、種類はいろいろ。
これは、自動販売機で購入します。
しかしこの自動販売機、初めての旅行者には、使い方が分かりにくい。
コインとガイドブック片手に、動かない自動販売機と格闘していたら、同じ歳位の
ジーンズを履いた男性のバックパッカーの旅行者に、声をかけられました。

「俺は今日がロンドン最後の日なんだ。You、これでロンドンが楽しめるよ」
と言って、3日分の有効期限が余っているトラベルカードを、私に差し出してきました。

こういうかんじの見知らぬ人同士のやりとりは、欧州を旅行していると、よくあります。
日本では、なかなかない習慣です。
見知らぬ隣人同士であるからこそ、ジェスチャーを出して、知り合い、お互い助け合う
という感覚の習慣は、気持ちがよいものです。
とっさにそう言われて、真意をつかみかねて突っ立っていた私に対して、彼は私の手に
トラベルカードを握らせると、

「ロンドンはいいところだよ。楽しめ。じゃあ、Good Luck !!」
と言い残して、去っていきました。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

似たような出会いに、先日、東京の品川駅であいました。
夜の8時くらいの時間だったでしょうか、品川駅の券売機の前で、ぼーっとして立
っていた私の前に、12歳位のラテン系の少女が歩み寄ってきて、

「ワタシ、アナタにこれ、あげます。アナタ、これで家まで帰れます」
とたどたどしい日本語で言って、JRの1日券を差し出しました。
連れがいた私は、
「いや、いいです」
と、条件反射的に、言っていました。その少女は、ムッとした顔をして怒ると、
1日券を券売機の前の床に叩きつけて、去っていきました。

日本人感覚でいたために、条件反射的に彼女の申し出を断ってしまった私は、
どうやら、彼女の善意の気持ちを、踏みにじってしまったようでした。
今でも思い出すと、とても残念な気持ちになります。「隣人愛」に無頓着な日本人
感覚は、どうもいけないなあ、と振り返って思います

ロンドンで出会ったバックパッカーが、小さな天使だとしたら、
日本には、小天使は、どうやら、どこにも、いないようです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

以下、ロンドンの地下鉄、TUBE=UNDERGROUNDが見れるサイト。
http://www.ne.jp/asahi/tabitabi/train/lonS.htm
http://www.ne.jp/asahi/tabitabi/train/tube.htm
http://www.f-banchan.net/travel/underground/underground1.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~QN4H-UN/TravelG7-A3-London2.htm

☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆

この記事を書いたのは、2004年、欧州からの文化の風の創刊1年後の頃です。
当時のユーロスターのロンドン側の玄関駅はウオータールー駅でしたが、
2007年の11月から、ロンドンの北側にあるセント・パンクラス駅に移り
ました。
開業当初のユーロスターはイギリス国内では在来線を走っていたため、メルマ
ガにもあるとおり、起伏のある地形の中でスピードを上げて走ることができな
かったのですが、2007年に高速専用路線が開通し、パリ北駅との間を2時
間半で結ぶようになりました。
この高速専用線の開通に伴い、ユーロスターのロンドン側の玄関駅はセント・
パンクラス駅に移ることとなりました。

しかしこのセント・パンクラス駅は、新駅ではなく、19世紀の1868年に
開業したロンドンの由緒あるスイッチバック式のターミナル駅で、建築的にも
とても素晴らしいもの。
19世紀の産業革命期の建築を代表する、とても天井の高い鋳鉄製トラスのガ
ラス屋根が架かった駅舎で、その無柱の長大な鋳鉄製アーチは高さが37M、ス
パンは30M、長さは210Mもあります。
この大屋根の設計はウイリアム・バーローによるもの。
駅の正面の顔であるネオ・ゴシック様式のホテルもまた素晴らしいもので、こ
ちらはジョージ・ギルバート・スコット卿の設計によるもの。

始めてロンドンに行ったとき、まさか将来ユーロスターのロンドン側の玄関駅
になるとはつゆとも知らなかった私は、チューブを乗り継いでセント・パンク
ラスの駅舎を見に行きました。
広大で巨大な大屋根がかかる下に並ぶ在来線の列車がとても小さく見えて、
150年前に完成した鉄とガラスの大空間の向こうに、19世紀の人が夢見た
であろう未来の時代へのロマンを感じ取ったような気がして、とても感激した
ことを思い出します。

ユーロスターに乗ってロンドンについた折には、ちょっと足を止めて、そうし
た歴史を持つセント・パンクラス駅を見て回ってみることも、素晴らしいロン
ドン滞在体験になるかもしれません。

☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
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カフェがあるパリのスローライフな時間

◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No95:カフェがあるパリのスローライフな時間
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      カフェがあるパリのスローライフな時間は
      忙しい21世紀のこの時代にこそ見直したい

       
☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆

フランスのパリを歩けば、カフェのないパリの街並は考えられないでしょう。
歩道に丸いテーブルと椅子が並べられ、そこでくつろぐ人達。
ファーストフード店が、今のパリにも増えましたが、スローライフな時間を
満喫するには、やっぱカフェ。
それも、カフェの椅子に座り、ウェイターに注文をして、そのやりとりをす
るなかで、パリのカフェ独特のサービスの作法としきたりのやりとりを味わい
ながら、くつろぐ。
これにつきます。

カフェは、決して「便利」な店ではない。「早い、安い、うまい」を求める
ならファーストフード店に入った方がいいでしょう。
カフェの楽しみは、その独特のサービスの仕組みを、注文、ウェイターとの
やりとり、勘定の流れの中で、その交流と、そこでの自分の振舞いを楽しみ
ながらくつろぐというところにあると思います。
そうした意味ではカフェは、ある意味、面倒くさい場所でもある。でも、ス
ローライフな時間は、人と人のやりとりの場でしか生まれないし、満喫もで
きないでしょう。


カフェには、通りに面したテーブル椅子席と、店の奥の立ち飲みカウンターがあって
コーヒー1杯の料金が、1.5倍位違います。まず、そのどちらかを選びます。
テーブル椅子席を選べば、料金が高いかわりに、1日中店に座っていてもOK。
遠慮なく時間を過ごせます。椅子席を選んで、座ることにします。

「何ににいたしましょうか」とは言われない。客は放っておかれます。
だから、自分でジェスチャーなり声を出してウェイターを呼ばなくてはなりません。
呼ばれてやってくるウェイターは、個人営業の人達。店員ではありません。
ジョークをかましてくるラテン風、折り目正しいイギリス紳士風など、ウェイ
ターの人柄は、ひと様々。

カプチーノ1つ、それと杯皿を」というと、吸殻は床に捨ててくれ、とのこと。
足元を見ると、床に吸殻がたくさんころがっている。
彼らには床にゴミをぽいぽい捨てても何とも思わない習慣があって、不本意ながら
納得することに。
見ていると、30分に1回位、ウェイターが床を掃きに来るのだけれど、その上に
また新しい吸殻がたまっていく。

コーヒーと一緒にウェイターがレシートを机に置いていく。
これが勘定で、帰りに席を立つ時に、レシート分の勘定を机の上にに置いて、
黙って立ち去るのがマナー。こちらから声をかけたりはしないのが、しきたりの
ようです。気持ちがあれば、チップを足して、置く。
この最後に席を立つ時って、あんがい気分がいいものです

ウェイターは客のことをよく見ていて、客が勘定を机の上にに置くと、拾いに
やってきます。チップがあると、「メルシー、またの御来店を」とにっこり笑
ってくれたりします。



1度、コーヒーが運ばれて来たと同時に、勘定を請求されたことがありました。
「まだ飲んでないよ、なぜ」と聞くと、「自分のシフトが終わりの時間だから、
先に払って欲しいんだ」、とのこと。そのあたりをがめつくはっきり言うのも、
フランス人らしいところ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「面倒くさい」カフェのスローライフな時間も、楽しいものです。
ファーストフード店よりも不便ですが

☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆

この記事を書いたのは、2003年、欧州からの文化の風が創刊の頃です。
あれから8年。世界へのグローバリゼーションの席巻が侵透する中、パリも
だいぶ変わりました。
近年のパリのカフェのウェイターは、多忙そうで、表情に余裕がなくなり、
言葉交わす隙がないほどの雰囲気のカフェが増えたような気がします。
でもカフェの基本の仕組みは、今でも変わらない。
カフェの通りに面したテーブル椅子席に座る時はいつもこの頃の風景を思い出します。

☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
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クーリエジャポンのフランス特集

◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No94:クーリエジャポンのフランス特集
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          クーリエジャポン1月号■フランス特集号
少子高齢化とグローバリゼーションへ対応する国の仕組み
           

☆  ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆

先日の朝、電車に乗ろうとしていていたら、駅のキオスクに並んでいた雑誌が目にと
まった。


クーリエジャポン1月号■フランス特集号
低成長でも「これほど豊か」/フランス人はなぜ幸せなのか

迷わず、購入。

日本でフランスなどヨーロッパの国に住んでいる生活について書かれた情報を雑誌や
書籍などの紙媒体で読める機会は少ないと思う。
紀伊國屋書店の海外事情の本棚をたまにのぞくことがあるのだけれど、並んでいる本は、
情報がやたら古いか内容がカタくて、あまり良い本がないと思う。
5年前のフランス暴動の内容の本がまだ新刊の部類だったり、就任後もう4年近くなる
サルコジ大統領の本がやっと並び始めたばかりだったり、まあ、そんなかんじ。

なので、今回の雑誌の特集には、ちょっと期待している。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

幸せとはひとそれぞれにとってのものだし、日本は世界で最も安全で快適に暮らせる国。
表面的な日常の快適さという部分では、日本は多分世界でもっとも幸せに暮らすことが
できる環境の国だと思っていいと思う。

しかし、ひとりひとりの幸せを支える社会の仕組みとしてはどうだろうか。

「小さな政府」を志向する日本と、「大きな政府」を志向するフランスという違いから
くる政府と経済と生活に対する政策の違いがそこにはある。
以下、今回の特集の内容から主な部分を抜粋して取り上げてみたいと思う。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

今、世界の先進国共通の課題は、少子高齢化とグローバリゼーションへの対応だ。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

少子高齢化の問題のフレームとは、高齢者が社会の大部分を占める一方、子どもが著
しく減少する社会となることによって、労働人口の偏りが起きて、それによる社会保
障費負担の増大、年金制度への影響、相対的な人口の減少などにより、経済成長が
減速す
ることだ。

これを解決する方法は案外単純で、出生率を上げること、簡単に言うと、子どもが増
えていく社会にすること、つまり安心して子育てができる社会をつくっていくことだ。
日本で出生率が下がり続けている原因は大きくは多分2つで、ひとつは世帯の将来の
生活の経済的な保障への不安、もうひとつは教育費の大きな負担だ。
これは、経済への取り組みを含めた政府のあり方とその政策によって解決できる問題
であることが、今回の特集の中ではフランスでの事例として紹介されている。

フランスも最近までは出生率が下がり続ける他の先進国と同じ少子化に悩む社会だっ
たが、効果的な政策と対策を打つことで、10年くらい前からV字回復を遂げている。
(現在のフランスの出生率は2.0、日本は1.3)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

グローバリゼーションへの対応の問題のフレームとは、ITなどの情報化社会が成熟し
た結果、先進国の工場などの製造拠点の中国、アジアなどへの移転(ちなみにフランス
の場合は東欧への移転)や、製造業だけではなくホワイトカラーを含めた仕事の業務が
人件費の安いインドなどの国へのアウトソーシングが行われることが当然の時代となっ
たことである。

その結果、先進国の人たちは人件費の安いインドや中国の労働者と競争しなければな
らなくなり、賃金が低下するばかりの一方、仕事は忙しくなるばかりだ。

こうしたグローバリゼーションの波は避けられない時代の流れで、そうした国際環境の
中で国が成り立っていく社会の仕組みをつくっていく必要がある。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

フランスで行われている所得の再分配の仕組みには注目しておいてもよいと思う。
グローバリゼーションの時代は必然的に格差社会を招くわけだけれども、その指標の
ひとつに相対的貧困率というのがある。
相対的貧困率とは、全国の世帯の平均の所得の半分以下の所得の世帯の率を表すもの
で、税制による再配分の前(市場所得ベース)と、所得再分配後の数字の統計がある。

主な国のデータは以下のとおり。■OECDによる

・ 日  本:13.5%(所得再分配後)←16.5%(市場所得ベース)
アメリカ:13.7%(所得再分配後)←17.0%(市場所得ベース)
・ フランス:6.0%(所得再分配後)←24.0%(市場所得ベース)
・ スウエーデン:5.0%(所得再分配後)←16.0%(市場所得ベース)

日本は再配分の前(市場所得ベース)と所得再分配後の数字はあまり変わらない
(16.5%が13.5%に下がる)けれども、フランスの場合は24,0%から6%
に下がる形で、相対的貧困率が大きく改善される形で所得の再配分が行われているこ
とがわかる。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あと、この雑誌の中では、
榊原 英資 (著) の、
「フレンチ・パラドックス
も、フランス関連の日本語本としては近著としてここでは紹介されている。

日本では「小さな政府」が志向される時代になって久しいけれど、フランスは「大きな政府
志向で社会が動いていて、このことで、世界の先進国共通の課題である少子高齢化とグロ
ーバリゼーションへの対応を効果的に行っていることが紹介されている。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★ 書籍の紹介
■ 以下、クーリエジャポン1月号■フランス特集号
低成長でも「これほど豊か」/フランス人はなぜ幸せなのか
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2011年 01月号 [雑誌]

■以下、「フレンチ・パラドックス
フレンチ・パラドックス
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★ お知らせ
欧州からの文化の風【日本の未来のために】日々のブログ版
ブログ連載を始めました。
ヨーロッパに直接関らない範囲のことも含めて、日常のことをメモ風に書いています。
以下で読むことができます。
http://ameblo.jp/michi444111/

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